ChatGPTが苦手なことへの対処法:もやっとしない使い方のコツ
最近、ChatGPTを使って文章を作ることが増えました。ブログや資料の下書きなど、スピード感をもって進められるのでとても重宝しています。
ただ、便利な反面「うーん、なんでそうなる?」ということもしばしば。最初はよくても、やり取りを重ねるほどに思った通りにならなくて、もやっとしてしまうこともありました。
今回は、そんな「もやっと」を減らすために私が見つけた具体的な対処法について、掘り下げて紹介します。
ChatGPTの“得意”と“苦手”を整理してみる
まず前提として、ChatGPTはゼロから新しく文章を作るのは得意です。
テーマや要点を伝えれば、それなりに形になった文章をサクッと生成してくれます。
しかし、その一方で「ちょっとだけ直したい」「この表現をこう変えたい」といった、細かい修正指示には弱さがあります。
具体的には:
- 「この部分をちょっと変えて」と言っても意図が通じない
- 修正を指示すると、全体のトーンや構成まで変わってしまう
- 会話が進むにつれ、話が最初の意図からズレていく
こういった経験、使ったことがある人なら一度はあるのではないでしょうか。
原因は“指示語”と“前後の文脈”
人と話すとき、「この部分」や「あの文」といった指示語でも話が通じますよね。
でもChatGPTには「この」が何を指しているかを理解する手段がありません。記憶しているのはあくまで直前の会話までです。
そのため、「この文章のここだけ変えて」という指示だと、ChatGPTはその意味を取り違えたり、逆に“気を利かせた”リライトをしようとして、全体が別物になってしまうことがあります。
対処法1:行番号を振って出力させる
私が最も効果を感じたのがこの方法です。
ChatGPTに対して次のようにお願いすると、修正指示が格段に通りやすくなります。
指示例:
コピーする編集する以下の文章を、1行ごとに番号を振ってコードブロック形式で出力してください。
すると、たとえば次のように出力されます:
1. 昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。
2. おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
3. 川で洗濯をしていると、大きな桃が流れてきました。
このようにしておけば、「2行目の前に、おじいさんの出かけるときの気持ちを書き足して」と明確に指示できます。
どこをどうしたいかが明確になるので、意図しないリライトを防げます。
対処法2:部分修正のときは前後文脈を毎回添える
もう一つの方法は、「修正したい文章の前後も一緒に貼る」ことです。
たとえば:
この文章:「おじいさんは山へ柴刈りに行きました。」の部分を
「少し気乗りしない様子で山へ向かいました。」に変えてください。
前後はこの通りです:
「昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。」
「おばあさんは川へ洗濯に行きました。」
これなら、ChatGPTは“部分修正”として認識しやすく、他の部分を書き換えるリスクが減ります。
対処法3:「全体のテイストを保って」と念押しする
ChatGPTは“最善を尽くそう”とするあまり、全体のトーンや構成を変えがちです。
そこで、指示の最後に**「全体の構成やテイストは変えずに」**と念押ししておくのも効果的です。
たとえば:
この部分をこう書き換えてください(全体のトーンや構成はそのままで)
と伝えるだけで、余計な変更が減ります。
まとめ:ChatGPTは“仕様”を理解して使えば、強力な相棒になる
ChatGPTは人ではありません。文脈を深く理解するわけでも、過去の出力を完全に記憶しているわけでもありません。
だからこそ、「人に話すように指示する」のではなく、「コンピュータ的な指示の仕方」を工夫することが大事なんだと気づきました。
- 行番号を振ってもらう
- 部分修正の前後を添える
- 「全体を変えないで」と伝える
この3つの方法を取り入れることで、ChatGPTとのやり取りがとてもスムーズになりました。
もし「なんでうまく伝わらないんだろう」と感じている方がいたら、ぜひ試してみてください。
おまけ:テンプレ指示例
コピーする編集する以下の文章をコードブロック形式で1行ごとに番号を振って出力してください。
今後、特定の行の修正を指示したいと思います。